読書の秋 その3

読んだ話のメモ。
本を読んでいる間は頭をからっぽにできるからいいですね。やっぱり疲れますが。

著:坂口安吾

『青鬼の褌を洗う女』
 人生に退屈しているのに、その退屈を楽しんでいるサチ子という女性の話。
 楽しんでいるが、その自分をどこか第三者のように見下ろしていうところがある。

『アンゴウ』
 もうこの人の話暗くて空しいのばっかりでそろそろ読むのがつらい、ほら次の話も戦死した旧友と自分の妻の不倫の話か…と思っていたら。
 この話がなかったら図書館にあるもう一冊の短編集を手に取ることもなかったのに。
 一度でいいから読んでほしい話。

『夜長姫と耳男』
 人間と芸術の限界に鬼の形相で挑む主人公、しかしその迫力を遥かに、そして無邪気に凌駕する美しい長者の姫。
 心を奪われた主人公が最後に取る行動とは。
 グロいの苦手な人は注意。


著:上橋菜穂子

『鹿の王』
 上、下の二部構成。
 獣の奏者好きな人は楽しめると思います。
 
 妻子を失い、死に場所を求め〈独角〉と呼ばれる切り込み隊の隊長として戦場へ赴くも、
 ただ一人生き残ってしまい塩山で奴隷として働かされていた男、ヴァン。
 その塩山が謎の犬たちに襲われ噛まれた人々が怪死していく中、そこでもヴァンは小さな幼子とともに一命を取り留めてしまう。
 時を同じくして、国を持たぬ一族の末裔である医術師ホッサルは、
 かつて故郷を滅ぼした病に似た原因不明の病気を解明しようと奔走する。
 細部まで張り巡らされた世界の中で二人の主人公の人生が少しずつ絡み合い、解き明かされていく様は、読んでいて鳥肌が立ちました。
 生命とは何か、現代科学とは違う視点で考えさせられるホッサルたちの物事の捉え方も目から鱗。
 ぜひ、一気読みしてほしい本です。

では、今回はこの辺りで。 

読書の秋 その2

報告会が終わったらすっかり気が抜けてしまってけだるい眠気に襲われています。
さっさといろいろ終わらせて好きなことをしたいんですが。

最近読んだ話のタイトルと内容または気に入ったフレーズのメモ。
ネタバレ嫌な人は気を付けてください。


著:坂口安吾

『破門』

「よく分るのよ、先生。でも、先生は男でせう。どう間違つてもあんな化け猫になる筈ないから安心ですもの。私たちときたら、うつかりすると自分が化け猫になつちやうですもの。私たち、さう自信があるわけでもないでせう、とてもなりさうな気がするのよ」



『白痴』
 第二次世界大戦中の疲れ切った男と白痴の女の話。
 心は冷め切っているのに無意識の部分で愛し生きようとしてしまう男。

『堕落論』
 自戒の法が生まれるのは、人が堕落するからである。
 けれど、人が堕落する生き物でなければそれはそもそも生まれなかった。
 日本人は本能から日和見主義な生き物である。
 救いは堕落の底に正しく堕ちきることで見つかる。そして救えるのは自分自身のみである。

『桜の森の満開の下』
 読者までもが幻の中に引きずり込まれたような気持ちになる。
 グロ苦手な人は注意。

『意識と時間の関係』
 ルーツは仏教の経典のある一説。
 「未来=過去である」という命題を目の前で証明されるような感じ。


著:有島武朗

『小さき者よ』
 親になる人もならない人も一度読んでほしい。
 父が眠っている子供たちに宛てた手紙。

『二つの道』

「さりながらまたその人がどこまでも一つの道を進む時、その人は人でなくなる。釈迦は如来になられた。清姫は蛇になった。」




本を読むと疲れるようになってしまって、体力の衰えを感じている。

坂口安吾『風博士』を読んだ感想(追記はネタバレ気味)

先日書きました坂口安吾、学校の図書館に入ってました。
代表作?ともされる『風博士』読んでみました。
追記に感想載せてます。他の人の感想も気になるなぁ。

「諸君は軽率に真理を疑っていいのであろうか? なぜならば、それは諸君の生涯に様々な不運を齎もたらすに相違ないからである。真理は信ぜらるべき性質のものであるから、諸君は偉大なる風博士の死を信じなければならない。」

坂口安吾「風博士」 web上でも公開されてますね。

本のいいところは自分の中に新しい単語が増えるところですかね。
電子辞書で読むとすぐ単語の意味へジャンプできて便利(タッチパネルすごい。買ってくれた親に感謝)。

自分的新出単語一覧
・忌憚(きたん):ひどく嫌がること。はばかって遠慮すること(否定的表現を伴って「忌憚のない意見」などのように使うことも)
・誣告(ぶこく):わざと事実を偽って告げること
・誹(そしり):人のことを悪く言う事、また、そのことば
・明眸(めいぼう):透き通った美しい瞳
・慨嘆(がいたん):嘆かわしいと憤ること
・陋劣漢(ろうれつかん):いやしくて軽蔑すべき男
・瞞着(まんちゃく):だますこと、いつわること
・浅薄(せんぱく):知識や考えがあさはかなこと
・逢着(ほうちゃく):物事にであうこと、辿り着くこと
・隠栖(いんせい):隠棲。俗世を離れて暮らすこと
・開闢(かいびゃく):この世の始まり
・幽玄(ゆうげん):物事が言い表せない程趣深いこと。中世の美的理念を表す語として用いられた。
・椿事(ちんじ):思いがけなく起こった出来事。
・奮然(ふんぜん):勇気・気力を奮い起こす様子(憤然と間違わないこと)
・蹶起(けっき):決起。決意を固め行動を起こすこと
・懲庸(ちょうよう):徴用?国家が国民を動員して強制的に兵役以外の業務に従事させること、物品などを取り立てること。

新しい語彙が増えました。やったね。
では、残りは追記にて。

続きを読む

読書の秋

秋だから読書、というわけでもないですが。
講義中、ついつい電子辞書に入っている『文学1000作品』なるものを読みふけってしまいます。
だって講義聞くよりよっぽど…いやみなまで言いますまい。

生憎あまり文学は詳しくないので知ってる作家さんは少ないのですが、
逆に新鮮な気持ちで気になった作品を読めるので気楽でいいです。
その中で、気になった作家さんを見つけたので感想メモがてらご紹介。

坂口安吾(wiki)
先週初めて名前を知りました無学でお恥ずかしい。
この頃の作家さんってみんな薄命だよなぁ。


電子辞書に入ってた作品のタイトルとさっくりしたあらすじを。
気になったらどうぞ。雑誌への寄稿が多いみたいだから、短い作品が多いので手軽に読めてうれしいです。

『阿部定という女』
 知人へ宛てた手紙のような語り口の、恋と愛と女についての話。

『ドストエフスキーとバルザック』
 小説の在り方の話。

『母』
 精神病院にいる友人のたった一人の話し相手になる筆者の話。

『ピエロ伝道者』
 「笑い」とは何か?

『恋愛論』
 その名の通り。

短いからオチを言わずにあらすじを書くのが難しい。
今度図書館に行って本を探してみようと思います。
やっぱり紙で読むのが一番具合がいい。


評論や随筆を読むのも結構面白いです。
芸術家って、結構突き抜けた考えの人も多いから。
「なるほど」と思うことも「いや、そりゃねぇだろ」と思うこともたくさんあるけど、なにせ著者が軒並みこの世にいないから、うんまぁそういうこと考えてた人もいるよなって頷くしかない。
最近はTwitterで生きてる人の思考ばっかり読んでたから、逆に新鮮な気持ちになりました。
そういえば、先輩が授業で読んでる徒然草が面白いって言ってたなぁ。
多分人間、何百年経ってもそんなに進化してないんでしょうね。

図書館でどの本を選んだらいいかわからない、って人は、カウンターの横の『返却された本』の棚を見てみるといいかもです。
そこにある本は、誰かが最近面白そう、って思って借りたであろう本だから。
普段読んでるジャンルとは違うジャンルの本に手を出すときもおすすめです。

あと、私の辞書はEX-wordでした。ご参考までに。

以上、いつもとちょっと毛色の違う話をしてみました。
それでは、今回はこの辺りで。